電通大生による自殺日記

自殺する電通大生の日常を晒す。

【後編】大学生になるまで不登校にならなかったのは

前編はこちらから。
suicidediary.hatenablog.com


-前編の概略-

大学生になるまで不登校にならなかった、いやなれなかった理由は、親に叱られるのが怖かったから。 逃げ場がなかったから。

学校に行きたくない理由を親は理解しなかった。
彼らは子どもを所有物として見ていた。

そこで諦めがついた。
偽りの自分をつくり、彼らが叱る必要のない良い子であろうとした。

嘘をついてでも自分を守り、苦しい学校生活を乗り越えた。


ここまでが前回のまとめである。

続きを始めよう。


現在、自堕落で将来性がなく金食い虫で大学に不登校かまし、落ちぶれて何の資格も卒業見込みも生きる道もない駄目な人間になったことに言い訳するならば、高校時代に将来の就職を考え地元を捨て、東京の大学に進みそこで学ぶ道が大人に認められる人生だと信じていたからである。

それだけのために勉強して生きていた。


高校時代の自分は、本当の自分ではなかった。

ぼっちでクラスで浮いていても、他の同級生より良い大学に合格するというプライドだけで辛苦を乗り越えていた。

教師に人格を否定されても我慢した。
理不尽な説教にも耐えた。

それは本当の自分ではないと言い聞かせて。

不条理な大人の怒りに対する一種の防衛本能だった。


しかし高校卒業と同時に、それまで自尊心だけで生きてきたもう一人の偽りの自分が必要ではなくなった。
時が経つにつれ、薄くなっていった。

規則に、親に、先生に縛られていた自分が解放された。
そして本当の自分を取り戻そうとしたら遅すぎた。


偽りの自分を再び呼び戻せば、親や社会が認める人生を歩むことはできるのだろう。
まだ間に合う。

でももう偽りの自分でいたくないのだ。
本当の自分で生きて死ぬには今、自殺するしかないのだ。

 

ニヒリズム喫煙録

ぶつけようのない苛立ちを吐き
マッチ箱を窓硝子に投げる軽さだけが響く
頬をなでる生ぬるい風
散らかった煙草の火花のように
萎む人生




メンソールのカプセルを潰しマッチをする
体の輪郭を避ける白煙
加速する心拍数
空のびんに蓄積した灰と自分が
ありったけの酸素を贅沢に吸い尽くす




アスファルトの裂け目から
生えていた名もなき草
その日の風速を測る指標だった生命
いつの間にかむしり取られて
今日も1本30円の不健康定期購入
いよいよ死に時か




枯れ葉が足元でかくれんぼ
一時の無風の間に白雲が浮かぶ




窓硝子に反射する七割の月
20本目のセッターと静脈が合流する
吸い口を縁取る無常観
ヒールの細い音は一定な間隔で帰る家を探す
僕は相変わらず死に憧れて




下を向くと右目が虚像を映す
タバコの煙が眼球に染み、舌がピリピリする
自立の代償はこんなにも重いのだろうか




シャリシャリと微かな砂を踏んでは
タールの苦渋が口腔を占める
向かいのアパートの交換されない電球
大型バスの屋根をたどって
月が消えた夜に白龍が上った




見慣れぬ四角い影におびえた朧月夜
鉄柵に全体重を載せると
3階から夜風に揺れるシーツ
心の中で謝罪しシケモクを生んだ