電通大生による自殺日記

自殺する電通大生の日常を晒す。

標準語を話せるくせに、あえて方言を使う田舎の人間が嫌いだ


もう帰ることのない故郷-2017年4月22日撮影


方言を一種のステータスにしている田舎の人間が嫌いだ。
標準語を話せるくせにあえて方言を使う。
都会や他の地方から越してきた人間の前で。
なんといやらしいことか。



地元の内輪で方言を使うのは結構だ。
しかしその方言を知らない人間の前で、あえて方言を使うことは卑しい以外に何もない。




あえて方言を使う田舎者は何をしたいのか。

都会や他の地方の人間はこんな方言を知らず使えないだろうが、自分は使いこなせるのだという幼稚な優越感に浸りたいのである。
要するに自分すごいでしょ、と言いたいのである。




なぜそのようなことをするか。

自分の身分の低さ、教養のなさを隠したいからである。
現在の田舎暮らしで満足している雰囲気を出したいからである。
本当は裕福な家庭に生まれ、不自由のない暮らしを一度は望んだことがあるのに。


自分たちの手の届かない暮らしをしていたよそ者の前で、地元民にしか分からない方言を使うことによって、自分たちの下品で恥ずべき優位性を保ちたいのだ。


何も誇ることがないから、方言というたまたま自分たちの身分に合う便利な盾をとり、大した地元愛もないくせによそ者を見下したいのだ。






そんな人間もいるよねっていう話。

 

発狂が先か、自殺が先か

退屈な対話に強迫性のささくれ
〇〇バスの排気ガス
横断歩道の通りゃんせ
キーボードの操作音
有機溶剤のにおい

隣り合う公衆電話のわずかな隙間から
"人生、終わらせてあげようか"
目が合うたびに優しく誘う彼はきっと
この世の者じゃないんだろう




石を蹴る自動車のタイヤ
直立不動の影おくり
根元を吸えずに落ちた煙草
勿忘草の懐かしいにおい
拳を壁に打ちつけても
離れない自己嫌悪




天理教の老爺が木片を叩く
通りすぎたバスに死人のような自分
ああ、枕元のあれはやはり死に神だったのだ




オーブントースターの小窓に
硬直した男を担ぐ楽しそうな子どもたち




ドライヤーの騒がしさに隠れようとしても無駄だ
お前の唸り声はいつになっても消えない




誰もいない部屋にすりガラス越しの人影
信号が赤く浮かび
50cm先の展開は歪んでいる

砂埃だけが存在を示す
海沿いで見たあの木は奇跡だったのか

手のひらのしわに散らばる煙草の葉
眩しすぎる東京の夜に
僕はひとり影遊び




釣具の先端に心臓が刺さって
往生際の悪い土左衛門




アスファルトを荒らす雪解け雨
根元の炎が唇に熱を与える
春暖の候、右手が震えて
閉まらない瓶のふた
悪夢の中に生きる